高次脳機能障害とは

交通事故で強く頭を打った場合、医師から高次脳機能障害と診断されることがあります。これは、話すことや考えるといった、人として重要な脳の機能に障害が発生する、後遺障害の一つです。

以下の説明にお心当たりがある方は、医師の診断を必ず受けるようにしましょう。高次脳機能障害を診断するには医師による高度な判断が必要です。

高次脳機能障害の症状

症状 説明
記憶障害 事故の前や、事故の起きた後のことが思い出せない
新しいことが覚えられない
注意障害 一つのことに集中できず、他ごとに気を取られる
いつもぼーっとしている
遂行機能障害 段取りを立てて行動ができない
計画通りに行動できない
計画を守れない、立てられない
行動情緒障害 感情や意欲のコントロールができない
事故前と性格が変わってしまう
すぐにパニック状態になる

高次脳機能障害の診断

高次脳機能障害と診断されるには、意識障害がみられることが必要です。初期の意識障害については、「GCS評価」という測定表を用います。この表は、以下の三つからなり、それぞれの評価基準で判断されます。

  • 目を開けているか
  • 会話できるか
  • 運動できるか

【目を開けているか】

反応 評価
自発的に開眼する
呼びかけで開眼する
痛み・刺激を与えると開眼する
開眼しない

 

【会話できるか】

反応 評価
見当識の保たれた会話ができる
(見当識:現在の時刻や年月、自分の現在の場所など基本的な状況把握のこと)
会話に混乱がある
混乱した発語のみ
理解不能の音声のみ
なし

 

【運動できるか】

反応 評価
命令に従う
合目的な運動
(合目的:一定の目的にかなっていること)
逃避反応としての運動
(逃避反応:痛み・刺激から逃れる飯能)
異常な屈曲運動
伸展反応
(伸展:伸びたり広がったりすること)
まったく動かない

 

この評価の点数が低ければ低いほど重度の意識障害と考えてください。8点以下になると、高次脳機能障害と予測されます。

高次脳機能障害の治療

高次脳機能障害と診断される場合の多くは、大きなけがを負って救急搬送されているのが通常です。救急病院では事故直後の治療が目的ですので、しばらく経過した後は、地域の大きな病院に転院することになります。これは、高次脳機能障害を負った患者さんのケアが小規模な病院では難しいためです。

しかし、大病院へ転院し数カ月経過すると再び、退院もしくは転院を求められます。医療費の適切な支出などの観点から、入院が3カ月を過ぎると保険点数がかなり減らされてしまうためです。

その後、高次脳機能障害の患者さんを長期間受け入れ、ケアを行うための専門機関が全国にあります。香川県から最も近いのは岡山療護センターです。

岡山療護センターホームページはこちら👈

 

退院した後、治療、リハビリが必要な方は以下を参考にしてください

香川大学医学部附属病院 http://www.med.kagawa-u.ac.jp/hosp/
医療法人社団 昭龍会
国重まこと医院
https://www.kunishigemakotoclinic.jp/
医療法人社団 新進会
おさか脳神経外科病院
https://www.osaka-nhp.jp/
医療法人社団
西山脳神経外科病院
http://www.kbn.ne.jp/home/neuronis/